ジェンダーギャップを理解し、思いやりのある職場に

事業創造本部の加藤は、入社当初から感じていた生理休暇に関する疑問を提案に変えました。
ジェンダーギャップを理解し、社員が安心して働ける環境を作りたいという思いから出された『女性が「入社」から「リタイア」まで安心して働ける職場環境整備及び社内風潮改善』提案。その提案は思いやりのある職場づくりへの一歩となりました。

動機は“なぜ?”、小さな疑問を見過ごしたくなかった

私は、女性が健康面でより長く働きやすい職場を作りたいという思いから、今回の提案を行いました。休暇に対する施策を検討する中で、他の女性社員の意見も聞きたいと考え、全女性社員にアンケートを取りました。その結果、それぞれ健康に関する悩みがあるということ、その悩みの分、受けたいフォローの数があるということを改めて知りました。また、多くの方が「悩みを周囲と共有しにくい」と感じていたことから、制度や環境面の整備だけではなく、まずは従業員のリテラシー向上や相互理解を深めるための施策も合わせて取り組むことが必要だと感じました。
提案の実現性・実効性を高めるために、関連部署と連携し、外部企業へのヒアリングを行いながら詳細の検討を進めました。

生理の気遣いを軽くし、理解を広げる職場づくり

“あしたをつくる”は、提案内容に応じて関連部門とともに、実現に向けた検討協議を行える制度です。今回は人事制度を主管する経営管理本部、玉川髙島屋S·Cを運営する玉川事業部と検討を重ね、実現に向かいました。アンケートで上がった声をもとに、具体的な施策として株式会社LIFEMが運営する『ルナルナ オフィス』と、オイテル株式会社が運営する『オイテル』を利用することを考えました。
『ルナルナ オフィス』の導入にあたっては低用量ピルや漢方の提供、婦人科のオンライン受診の会社負担が可能となります。既に当社にも24時間電話健康相談サービスなどはありますが、電話によるハードルの高さや認知度の低さから、より社員が身近に安心して婦人科を利用できるサービスを導入したいと考えました。ルナルナは携帯アプリでもおなじみで、利用者数の多さや評価の高さから企業向けのサービスも期待できました。

また、突発的な生理時も安心して働ける環境を望む声が高かったため、本社オフィスと玉川髙島屋S·Cの従業員化粧室内での生理用品の無料提供サービス『オイテル』の設置検討を進めました。制度が速やかに導入されるようスケジューリングを行い、同時にSCで働く従業員のES向上にも寄与できる形を目指しました。

最終的に提案が採用され、制度面・サポート面・リテラシー面の3つの環境が整備されました。
制度面では、有給休暇の取得時に生理や不妊治療を理由とすることができるようにしました。サポート面では、前述の『ルナルナ オフィス』と『オイテル』の導入を行いました。
提案で最も課題視したことは、制度を作っても「言いにくい」職場環境が変わらなければ、制度の活用に至らないということでした。そのため、リテラシー面ではユニ・チャーム株式会社が提供する「ソフィ・みんなの生理研修」を全従業員が対面で受講し、基礎知識のインプットと併せて男女混合での意見交換の場を提供しました。全員参加での実施は初めての試みとなったため皆さんの反応に対し不安はありましたが、“性別を越えてお互いを思いやる職場環境の大切さが浸透した”という結果をアンケートで得ることができ、安心しました。
今回の提案によって生理のタブー視と向き合い、社員間の心の距離が縮まったと感じます。

今後の期待

今後、健康課題に対する制度のブラッシュアップはさることながら、すべての社員がジェンダーギャップを越えてより活躍できるよう、女性のキャリアプランとライフステージを並行して進められるような制度を検討したいと考えています(具体的には、不妊治療費や卵子凍結費の会社負担、託児所の併設など)。女性がライフステージによりキャリアを諦めることなく働き続けられることは、当社の人材の厚みを確保することでもあると考えています。
また、自身が疑問や課題を感じることに対し、解決への検討ステップの構築や周囲の意見を傾聴しながら取り組むことの大切さをこの制度で得ることができました。制度提案以降も、日々の業務に対して、改めて、何事も疑問を持ち課題感を持って取り組むことを意識するようになりました。 今後、より社員の声をもとに制度が拡充でき、お互いのことを思いやれる優しい会社になることを期待しています。