立地創造型開発への挑戦

1960年代のはじめ、東神開発の創業メンバーは、クルマ社会が到来したアメリカで台頭し始めていたリージョナル型SCに着目。広い用地を有さない日本では同規模の開発は困難と考え、電車・バスでも集客を見込むスウェーデンのSCを参考に、日本における郊外型SCの青写真を描きました。

用地選定では、いくつかの候補地から、鉄道・幹線道路など交通の要衝となる計画に目を付け、のどかな田園風景が広がっていた二子玉川を抽出。開発者精神を胸に、「立地創造型まちづくり」への挑戦が始まりました。

  • 本格的郊外型ショッピングセンターの開業

    開業までの数々の苦難を乗り越え、1969年11月本格的郊外型ショッピングセンターとして「玉川髙島屋S・C」は開業しました。クルマ時代の到来に合わせ、洗車場施設や当時画期的なドライブインシアターを展開するなど、大いに話題になりました。1970年代以降、本館増床や南館の新設、また各時代ごとの変化を見極め、定期的なリニューアルを実施しつづけています。

    規模的拡大の一方、顧客の囲い込み策であるコミュニティ戦略にも着手。コミュニティペーパーの創刊やミセスのためのサークル立ち上げなど、モノを売るだけでなくコトを創出することに、他の商業施設に先んじて取り組んできました。

  • 街の拡がりと奥行きを演出する、二子玉川の重層的なまちづくり

    郊外での立地創造に挑んだ経緯から“街に開かれ、街と融合したSCづくり”を基本姿勢に掲げる玉川髙島屋S・C。外周部の環境整備に留まらず、面開発の推進によって回遊・散策を楽しめるまちづくりを実現しています。

    国道旧246号沿いの町工場跡や路面駐車場を、緑に彩られた商業施設に転換させた「246ストリート開発」。マロニエコートやアイビーズプレイスなど、20年近くをかけて街に拡がりを持たせてきました。またSC館内では表現しにくい、風情のある“裏路地”の創造をテーマに、石畳など京町屋を思わせる佇まいの「柳小路」エリアの開発により、街の奥行きを演出しています。

  • 人と人、施設と街をつなぐ緑園空間

    玉川エリアの開発で欠かせないもの、それは緑園性の追求です。本館増床に合わせて屋上緑化に注力、「空中庭園構想」に基づき、その後の開発でも順次緑化を進めてきました。開業40周年に合わせ改修した本館ファサードは、正面玄関からアーケードにかけて植物を茂らせ「緑の洞窟」を実現。緑と建物、街が自然と一体化し、心地良い立体的遊歩道を形成しています。また、国道旧246号沿いの、“光と緑あふれるやさしい暮らし”をテーマに設計され、屋根の庇部分を植物で覆った「グリーン・イーブス」が印象的です。

    長年にわたり、取り組んできた緑園化。緑が架け橋になり、人と人をつなぐ空間としてこれからもあり続けます。

施設紹介

Overview 玉川髙島屋S・C

所在地
  • 東京都世田谷区玉川3-17-1
開業
  • 1969年11月
店舗面積
約81,000m²
店舗構成
玉川髙島屋と約340の専門店
駐車場台数
約1,600台

周辺施設

  • マロニエコート

  • ケヤキコート

  • アイビーズプレイス

柳小路

所在地
  • 東角:東京都世田谷区玉川3-11-1
  • 錦町:東京都世田谷区玉川3-13-1
  • 仲角:東京都世田谷区玉川3-12-8
  • 南角:東京都世田谷区玉川3-13-7
開業
  • 東角:2004年11月
  • 錦町:2009年4月
  • 仲角:2010年7月
  • 南角:2018年11月
店舗面積
約3,400㎡
店舗構成
飲食店・ファッション・サービス・オフィス等
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