想いをカタチにして、より良い“みらい”をつくる

「みらいをつくる」は、東神開発グループの全従業員を対象にした“新規事業提案制度”です。将来を支える新たな事業軸や、社会的価値の創造に寄与する収益事業を生み出すことを目的に2017年からスタートしました。

従業員が、自ら考え熱意をもって提案し、具体化するために奔走する。その活動を皆でサポートすることで、当社が大切にしてきた「開発者精神」を醸成し続けていく。「みらいをつくる」を通じ、新しい価値の創造に取り組むとともに、従業員一人ひとりのスキルアップと組織力の強化を目指していきます。

入社4年目で社内でも初めての取り組みにチャレンジ

SC事業本部 立川グループの粟沢佳奈が、立川髙島屋 S.C.の屋上を利用した『「地場の価値」をフックとした、人と街をつなげる屋上庭園の創出』というプランを提案したのは、入社4年目のとき。それまで使われていなかった屋上を利用するという同所にとっても初めてのチャレンジでした。

立川髙島屋 S.C.の屋上を利用した屋上農園を提案

このプランを思いついたきっかけは、玉川髙島屋S・Cの宣伝担当として、屋上散策ツアーなどのイベント活用を担当していたことでした。同施設では、南館屋上を「PARK&TERRACE OSOTO」として開放し、本館屋上でも植栽やステージを設置するなど、屋上に人が集まる仕掛けがありました。それに比べて立川髙島屋 S.C.の屋上は、建物として従業員の食堂・会議室・喫煙所があるのみで、お客さまには閉鎖されており、以前はビアガーデンを営業していたという広場のスペースも、まったく使われていませんでした。

そこで私は、そのスペースを有効活用すべく、「屋上庭園の創出」というプランを提案することにしました。提案のために最初にしたことは立川髙島屋 S.C.の現状の把握と周辺のリサーチでした。立川髙島屋 S.C.に入るテナントはサービス店や大型店が多く、施設を訪れるのは目的買いのお客さまが大半。また、立川エリアは駅から少し離れると、住宅地の中にレンタル農地が点在するなど、農業が活発な街だったこともあり、より多くのお客さまに立川髙島屋 S.C.に足を運んでいただくためにも、屋上庭園は有効だと考えました。

具体的な提案内容としては、屋上を利用したレンタル農園の誘致でした。結果的にこれらの提案は、「立川髙島屋 S.C.のリニューアルの一環」として採択されました。意外なほどすんなりと実現が決まったアイデアでしたが、そこからそれらを形にしていくのは、決して上手くいくことばかりではありませんでした。

業務領域を超えた挑戦から得た学び

「ショッピングセンターの屋上でレンタル農園」というこれまでにないチャレンジに、最初は社内の誰もが不安を感じていました。それはレンタル農園を運営してくださるテナントさまにとっても同じ想いだったと思います。いくつかのレンタル農園の運営会社に声掛けをしましたが、「前例がない」「収益化が難しそう」「集客が不安」などの理由から、最初はまったくいい返事をいただけませんでした。

そんな中、何度かの条件交渉を経て、「その条件ならば…」と参画していただけることになったのが、全国の自治体や商業施設で農地活用などに取り組んでいる「シェア畑(株式会社アグリメディア)」さんでした。一番の懸念だった屋上への集客についても、当社が全面的に協力をするということで、何とか口説き落とすことができました。また実現に向けては、屋上にレンタル農園を設置するための施工面での技術確認など、今まで経験したことのない業務にも携わりました。“みらいをつくる”を利用したことで、ゼロから立ち上げまでのすべてに関与できたことは、いい経験になったと感じています。

自分の企画で、より地域から愛される施設に

当時は立川髙島屋 S.C.のリニューアルに向けた準備と時期が重なり、限られた時間や予算の中で、それをいかに上手くやりくりをして収めていくことができるか…そればかりを考えていた気がします。でもそのお陰で屋上のレンタル農園が無事にオープンしたときには、これまでにない達成感を味わうことができました。レンタル契約が少しずつ埋まっている状況を見て、安堵もしています。同時にオープンした屋上のコミュニティーゾーンでは、お子さまたちが元気に走り回る姿を見ることができるようになりました。

お客さまに屋上を開放したことで、来店されるお客さまの動きにも変化が見られるようになりました。屋上に向かうお客さまの後ろ姿を見るたびに、この企画をやってよかった、苦労した甲斐があったと感じます。自分のアイデアが形になり人の流れが変わったかと思うと、少し誇らしい気持ちにもなります。