交流の機会を提供し、ワクワクを創出する
ITツールの発達や働き方改革が進む中で、「自分の置かれている環境に、どこか物足りなさを感じるようになっていった」という事業創造本部の二瓶泰樹。そんな彼が“あしたをつくる”で提案したのが、「ナスコンバレー協議会への参画」という企画でした。
“遊び心”をなくさないために
私が中途入社で東神開発に入社して約10年になりますが、ずっと感じていたことがありました。それは日々の業務の忙しさに追われて、「どこかに遊び心を忘れているのではないだろうか」ということ。このままでは「つまらない人間になってしまいそうだ」……これは私自身に対してはもちろん、特に一緒に働く若い世代に対しても感じる、ある種の危機感でした。
その原因の一つとして考えられるのは、目的を持たずに人と会う機会が極端に減っていること。さまざまな人と話したり、ふれあったりする機会が喪失していることにあるのではないかと考えたのです。機会が減っているのであれば提供すればいい。人と接点を持つことで、一人ではできないような経験や思いつかないアイデアが自分にインプットされ、それは必ず仕事にもいい影響を及ぼしてくれるはずです。
新しい人と出会うことで起こるイノベーション
そこで私が提案したのが、「ナスコンバレー協議会への参加を通じて、新しい人たちと出会う」という取り組みでした。ナスコンバレー協議会とは、栃木県の那須高原にある企業の私有地を利用して、新しいアイデアやテクノロジーを生活に取り入れる社会実験を行うリビングラボの一つ。発起人である企業4社を中心に、全国からメーカーや代理店、IT企業など、業界も規模も異なるさまざまな企業、約70社が参画しています。具体的な活動としては「ドローンの社会実装」「新しいコンセプトによる次世代ハウジング」「遠隔医療ヘルスケアの実現」といった幅広いジャンルのさまざまなテーマで、年に数回ずつ那須と東京でミーティングや、それらのアイデアを具現化するための実験が行われています。
私がこのナスコンバレー協議会への参加を薦めたのには、大きく二つの理由があります。まず一つ目は、この協議会に参画することで、通常の業務では接点がない業界の人たちとの交流が生まれること。これは人との接点が減っている現代社会において、新しい刺激になる以外の何者でもありません。もう一つの理由は、プロジェクトの実装実験の場として、当社が運営するショッピングセンターが舞台になりえるということ。生活に密着した新しいアイデアを試す場として、多くの人が利用するショッピングセンターは、これ以上にない条件が揃っているといえます。またこれらの取り組みは、企業としての社会貢献への参画のアピールにもなることでしょう。
人との出会いが人を変え、企業の未来をつくる
幸いなことに私の提案は承認され、2024年度より東神開発グループもナスコンバレー協議会に参画することが決まりました。この協議会では企業ごとの参加人数に制限はないため、今後は社内で参加希望者の公募を行い、そこで選抜されたメンバーで参加していくことになると思います。私たちが期待しているのは、この企画に参画することで「人との出会いやワクワクした経験を通じて、企業や組織・人が活き活きとする」こと。参加した人やまわりにいる人たちにとって、何かしらの心境の変化をもたらしてくれるのではないかと考えています。
そして、もちろん、この企画が通ったことは嬉しかったですが、これはあくまでも手段であり、私が本来目的だと考えているのは、この会社で働く一人ひとりが楽しく活き活きとした毎日を送ること。その結果が、本業での新しいチャレンジにもつながっていくはずです。ナスコンバレー協議会への参画が、これからの東神開発をつくっていくためのきっかけになってくれればと願っています。