玉川髙島屋S.C.の本館屋上庭園に、ペットボトルキャップからできた「花びらベンチ」という大輪の花を咲かせた「たかしまや課」の活動。こども会議では、「こうほう課」「にこたま課」の子どもたちも活躍中。その活動の場所は、ショッピングセンターだけにとどまりません。今回は、この2つの課の取り組みについて、子ども会議と併走してきた東神開発担当者の声を交えながらご紹介します。
▶「花びらベンチ」の取り組みを紹介した【前編】はこちらから
こども会議と東神開発 -【前編】「ペットボトルキャップベンチ」が咲かせる子どもたちの未来- | 東神開発株式会社
大人との交渉も自分たちで! ~商店街でのスタンプラリー企画~
2025年10月、二子玉川商店街のイベント「フタコハートストリート」の中で、こども会議主催のスタンプラリーを開催しました。企画したのは、「にこたま課」の子どもたち。二子玉川の街を盛り上げ、たくさんの人に街を楽しんでもらえる企画を考えている課のみなさんです。
このスタンプラリー企画、実は、二子玉川商店街振興組合の名川副理事長・鈴木理事を訪ねた際に“おしごと”として受けたもの。「ぜひ一緒にイベントを盛り上げてください!」とのお二人の声に、子どもたちは大張り切りで準備を進めてきました。おしごとを成功させるために、真夏の暑い中、何度も商店街を巡り、「どのお店にスタンプ台を置いてもらおうか?」「ここだと、ちょっと距離が遠すぎるかな?」と試行錯誤を重ね、お店への交渉や、景品の手配も自分たちで行いました。

大盛況のスタンプラリー
イベント当日は天候にも恵まれ、幸先の良いスタート。子どもたちは朝早くから、商店街のお店に注文していた景品の駄菓子セットを受け取りに行ったり、スタンプラリーの台紙を渡すためのテントをにぎやかに飾り付けたりと、大いそがし。いよいよイベントが始まると、初めこそ少し緊張気味でしたが、会場の賑わいに合わせてどんどん大きな声で、スタンプラリーへの参加を呼びかけていました。
200枚以上用意したスタンプラリーの台紙は早々とすべて配り終え、後半はテントの中で景品を渡す係を担当。そして、スタンプラリーの終了時間ぴったりに、用意していた景品の最後のひとつを参加者の方にお渡しして、イベントが終了!奇跡的なタイミングに、子どもたちも大人たちも一緒に大喜び。大盛況のうちに幕を閉じました。


活動の輪をもっと広げたい ~社員募集ポスターを商店街に~
一方、「こうほう課」の子どもたちは、「フタコハートストリート」の開催に合わせ、新たに「こども会議」の社員募集ポスターを制作する事になりました。「こども会議」の活動をたくさんの人に知ってもらうことを目指している「こうほう課」。一緒に活動する仲間を集めるために動き出します。
月に一度の会議では、みんなで集まり、ポスターに書く内容を考えます。「どんな情報が載っていれば分かりやすい?」「完成したら、このお店にも貼ってもらいたい!」と、元気いっぱいに自分の意見を出し合う「こうほう課」の子どもたち。画用紙に描いたデザインを完成させたあとは、今度は二子玉川の街に飛び出します。ポスターを貼ってもらえるお店を探したり、「ポスターを貼ってもらえませんか?」と、お店の方と交渉したり…「にこたま課」ともきちんと情報共有し、連携しながら進める姿は、まるで「大人のおしごと」のようでした。
肝心のポスターは、子どもたちのデザイン画を基に、こうほう課のこども社員さんのお母様がデータに作り直してくれました。こうして完成したポスターは、二子玉川商店街のお店を中心に掲出されています。

子どもたちも大切な地域のお客様
当社が「こども会議」と連携をし始めた2021年以来、担当を務めるのはマーケティング部マーケティンググループの霜鳥さん。子どもたちと一緒に活動する中で感じていること、取り組みの意義について伺いました。
SC事業本部 マーケティング部 マーケティンググループ 霜鳥桃子さん
[霜鳥]
こども会議を通じて共に活動する中で、彼らの柔軟な発想や、純粋な好奇心・瞬発力に毎回大きな刺激を受けています。最初の“おしごと”として「どんなSDGsの仕掛けがあったらショッピングセンターに来たくなる?」という問いを投げかけた際、当時のこども社員さんが、実際に学校で友達と一緒にアップサイクル楽器を作ったうえで「音楽会」の提案をしてくださり、その行動力や感性に感激しました。“おしごと”を楽しもうとする姿勢に、子ども達から教わる事も多く、毎月一度、東神開発の会議室で子どもたちと顔を合わせる事が私の楽しみとなっています。私たちが目指す「地域のお客様に共感していただけるショッピングセンター」には、地域にお住まいの子どもたちも大切な一員として含まれています。だからこそ、子どもたちと共に創り上げ、地域に根差した活動を行うことが、ショッピングセンターにとっても新たな価値や発想を生み出す源になると考えています。
みんなでニコタマのみらいをつくる
「こども会議 二子玉川事業所」のミッションは「みんなでニコタマのみらいをつくる」。今年は、「花びらベンチ」「スタンプラリー」「ポスター制作」と、それぞれの課の活動が形になり、子どもたちの手で”ニコタマのみらい”がつくられた一年でした。
東神開発では「人と街の記憶を積み重ね、共に“マインドシンボル”をつくる。」を私たちの使命として、「ここで生きたい。ここに行きたい。そう思える場所がある未来。」をつくることを目指しています。「こども会議」との取り組みでは、そんな未来を担う子どもたちひとりひとりに真摯に向き合い、毎年一緒に新しい“おしごと”に取り組んできました。
来年は、一体どんなおしごとをしようか、地域の皆さまとどんなことをしようか‥東神開発とこども会議との”おしごと”はこれからも続きます。

